ミナト国際会計事務所
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12. 税務一般 CRS制度(共通報告基準による金融口座情報交換制度)
外国の金融機関を利用した国境を越える脱税を予防するため、租税条約等に基づき、国内外の税務当局間で共通報告基準(CRS:Common Reporting Standard)に従って「非居住者」に係る金融口座情報を自動的に交換する 制度が、平成29年1月1日以後、日本でも開始されます。
CRSにより、各国の金融機関は口座保有者の居住者国を特定し、各金融機関の所在地国の税務当局に報告することが義務付けられ、各国の税務当局は収集した各国の居住者口座情報をその納税者の居住国の税務当局と自動的に情報交換を行うこととなります。本制度により、これまで各国の税務当局が把握することが困難であった租税回避行為の情報をタイムリーに把握することができるようになります。
現在、約100カ国がCRSの導入を決定しており、その内56カ国が早期適用国(2017年から税務当局間で情報交換が開始される国)となっているとのことです。
CRSが導入されると、国外に金融資産を持っている日本人富裕層は、今まで自主的に申告していた国外財産について税務当局間で情報交換が行われることにより、申告漏れ等の指摘を当局より受ける可能性が高まるものと予想されます。
また同様に、シンガポール等の国外に居住している日本人については、日本に保有している金融資産の情報が日本の当局からシンガポールの当局へ情報交換が行われることになり、同様に従来よりも申告漏れ等の指摘を受けるリスクは高まるものと予想されます。
いよいよ世界中の金融口座がガラス張りになってきたように感じます。行き場を失ったお金はこれからどこへ向かうのか、非常に興味深いところです。