国際税務ブログ アーカイブ

2017年12月

2017年12月6日

15.   個人の居住ステータスの判定について

今年も早いもので12月に入りました。確定申告の時期が近づいていますが、先日受けた個人の居住ステータスに関する相談について記載したいと思います。

相談者は60歳で会社を早期退職された日本人男性の方で、第2の人生をベトナムで見出すべく今年5月に家族を日本に残し現地に単身乗り込まれました。本人は最低5年は現地で生活し、会社を作って現地日本人向けにビジネスを行う計画を立てています。ただ今のところ会社設立も出来ていない状況です。

さて、この方は2017年度、日本の居住者・非居住者、どちらなのでしょうか?

この方は一般的な海外駐在員とは異なり、勤務先国で明確な職業や契約がある訳ではなく無職の状態です。また、現地国で安定的な収入もまだ得られていない状況の中で、生活費は日本の退職金から賄われている状況です。また、現在は出張ビザで渡航されており日本の住民票は残している状況です。

この点については、以下の関連する通達があります。

国外において事業を営み若しくは職業に従事するために国外に居住することとなった者は、国外における在留期間が契約等によりあらかじめ1年未満であることが明らかであると認められる場合を除き、「国外において継続して1年以上居住することを通常必要とする職業を有する者」として取り扱われます(所基通3-3)。

こちらの通達を一読する限りでは、何となく非居住者に該当するような気もしますが、一方で本人の意思とは別に事業化の目途が立っていない現状や経済的な実態を考えると本拠は未だ日本にあるようにも思えます。

通達等でもクリアに判定が難しい事例というのは実務上結構あるように思います。最後は事実関係を総合的に判断するしかない、という事かと思います。