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2017年4月

2017年4月18日

7.    所得税 日本本社の役員が海外駐在する際の役員への給与の支払と税務

 

最近本社機能の一部をシンガポール等の海外に移す会社が増えてきています。そのような場合、本社の役員と現地法人の社長を兼務しているようなケースも散見されます。役員の海外駐在に関しては、通常の社員とは異なる課税ルールが適用されるので注意が必要です。

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日本の法人の海外支店などに1年以上の予定で勤務する給与所得者は、一般的には、国内に住所を有しない者と推定され、所得税法上の非居住者になります。
非居住者が受け取る給与は、たとえその給与が日本にある本社から支払われていても勤務地が外国である場合、原則として日本の所得税は課税されません。
しかし、同じく海外支店などに勤務する人であっても日本の法人の役員の場合には、その受け取る給与については取扱いが異なります。

この場合には、その給与は、日本国内で生じたものとして、支払を受ける際に20.42%(所得税20%、復興特別所得税0.42%)の税率で源泉徴収されます。
なお、この役員には、例えば、取締役支店長など使用人として常時勤務している役員は含まれません。
役員の給与に対する課税の取扱いについては、多数の国と租税条約を結んでおり、租税条約に異なる取扱いがあるときは、その取扱いが優先することになっています。


【関係法令通達】

(所法2、5、161、162、164、170、所令15、285、所基通161-29、復興財確法8、9、12、13、28)

出所:国税庁タックスアンサー